2008年01月17日 (木曜日)
【日々】 ボクのとなり
ある日、京葉線で。
3人がけの椅子に2人。
両端に座る2人。
片方にボク。
もう片方には、ピンク色のトレーナーにピンク色のポシェットを下げた
ショートカットの、おばさん?
かばんから取り出したのは「TVスター名鑑2007」。
読むわけでもなく、出したり入れたりを繰り返している。
突然彼女は喋り出す。
「あ、きょう、あたし法事だったからさ。」
電話しているのか?
窓越しに様子をうかがうが、完全に独り言である。
「あ、きょう、あたし法事だったからさ。」
2回言った。この人2回言った。
これは。
新手の日本語勉強法なのか?
「そうそう、関先生だったの。」
「そうそう、関先生だったの。」
絶対に2度繰り返すのだ。
何か、台詞でも覚えているんだろうか。
新浦安に近づいた頃。
「お雛様ですぅ〜お雛様ですぅ〜 わぁ〜きれいー!」
んぁ!?
思わずわたしは横の音源をガン見してしまった。
「♪かおがいのちのーよーしーとーくー」
ピンクの彼女は、よたよた不器用に歩きながら
そして歌いながら、新浦安で降りて行ったのだった。
空いた2人分の席に、カップルが乗り込んで来た、舞浜駅。
腕を絡ませ、ついでに足も絡ませ
仲睦まじくしている。
窓越しに再び様子をうかがう。
歳の頃、
40過ぎ?
おい!歳とか考えろ!
ってツッコミは野暮ってもんでぇ。
ボクはしばらく二人を野放しにしてみるのだ。
こいつらがどこまでエスカレートするか見届けてやろう。
新木場に着いた。
妙齢カップルの様子をさりげなくうかがう。
黒のダウンを着た男性が覆いかぶさるように。
嗚呼、接吻でございますか。
感覚値で3秒。
おい、早くしないとドアしまるぜ。
…ドア、しまる?
…ドアしまった!!
そして降り忘れた!!!!
わたしが!!!!!
仕方ないので、何となくな気まずさを抱えつつ
残された女性と二人、端と端に座って
ボクは東京駅に向かったのだった。